パトリシア・フィールド・アートコレクション 作品展示

本日より、中村キース・ヘリング美術館の所蔵するパトリシア・フィールド・アートコレクションをホテル全館にて展示しております。
パトリシア・フィールド・アートコレクションはカリスマスタイリストパトリシア・フィールドがオープンしたブティック『パトリシア・フィールド』が2016年春に惜しまれつつ閉店したのち、主要作品190点が中村キース・ヘリング美術館に収蔵されたものです。
ブティック『パトリシア・フィールド』はシーンスターと呼ばれるミュージック・カルチャーシーンに属する者や、セレブ、LGBT、そして世界中のファッショニスタが集うメルティングポットとして存在した場所で、1983年イーストヴィレッジのショップではキース・ヘリングがペイントした初めてのTシャツが販売されました。
コレクションはフィールド自身が蒐集してきた作品だけでなく、アーティストやデザイナー、ファンなどが『パトリシア・フィールド』に魅了されて制作した作品の蓄積でもあります。絵画、写真、ポスター、彫刻、版画など多彩な作品群はダウンタウンのクラブシーン、ストリートアート、ミュージックシーン、
そしてイーストヴィレッジのアンダーグラウンドカルチャーと共にスタイリングされてきた、いわゆるブティックアートと呼ばれるもので、1つ1つが個性的なエネルギーに溢れています。
北川原温によってデザインされたホテルの建築空間もまた、館内各所に強い個性があります。その各所の空間に合わせ、往来のアートの傾向やモードに左右されず、名声を目指すことでもなく、生き生きとエネルギーに溢れた自由な表現の作品たちが現れます。
滞在期間中はホテルの館内をゆっくりと歩き、出会った作品からブティック『パトリシア・フィールド』に集まった1966年からの50年にわたるニューヨークのアートの息吹を感じていただけますと幸いです。
パトリシア・フィールド
(1942年ニューヨーク生まれ)
映画「プラダを着た悪魔」(2006年)や、テレビドラマ「セックス・アンド・ザ・シティー」(1998年から2004年)で知られるニューヨークのカリスマスタイリスト。エミー賞受賞や2007年にはアカデミー賞にノミネートされるなど、テレビや映画の世界で活躍するだけでなく1966年にオープンしたショップ『パトリシア・フィールド』は、半世紀もの間、ファションとカルチャーに多大な影響を与えた。
2016年春『パトリシア・フィールド』は閉店されるが、テレビや映画のスタイリングは現在も第一線で活動を続けている。「着るアート」をコンセプトとした「アートファッション」と名付けられたブランドを展開。ファッションをアートとしてキュレーションするという、これまでにない新しいスタイリングの在り方に挑戦している。